本日のテーマは「ハンドメイド」。
清水の考える言葉の定義や、その魅力をお伝えできればと思います。
直訳すると「ハンドメイド」とは、「手作り」の意味。
ハンドメイド商品とは、手作業で作られた商品を指すのですね。
・・・とまぁ、わざわざ書くことでもないですが。。。
イベント出店などお客様への直販を行なっていると、よく聞かれることなのですが、
「これって全部ハンドメイドなんですか?」。
この質問に対して、上手く答えられず、
「一応ミシンとかも入ってますし、ゴニョゴニョ。。。」と、何とも歯切れの悪い返し方をしてしまっていたのが、
今回のテーマについて深く考えることになったキッカケです。
「ハンドメイドの定義」を考える(前段)
前項で「手作業」の商品がハンドメイド商品と記載しましたが、
工業製品には手作業が無いのでしょうか?
実は意外なほど、機械化されていない作業もあるものです。
最も分かりやすい作業としては外観検査。
一言に外観検査と言っても、外観チェックしてOK/NGではないんです。
ちょっとだけ汚れが付着している、糸ごみが付いているなど、
外観NG品を少々手直しして良品とするなどは、
工業製品の製造工程でも当たり前にやっていることです。
例えば基盤へのハンダ付けなどいかがでしょう?
全て機械がやってくれるような製品もありますが、
一部機械では具合が悪いような場合、専門の作業員を付けて手ハンダするような場合もあります。
このような、一般的には「ハンドメイド商品」と言えないような工業製品でも、
「手作り」されている側面もあるのです。
革製品はどうなの?
革製品の製造工程は、工業製品よりも更に手作業が多く、
殆どの工程は手作業と言っても良いでしょう。
例えば縫い工程ではミシンを使いますが、
商品を手で保持しながら、一目一目縫っていきます。
これ意外と難しいもので、私も初めて製作する商品などでは、
目をしくじることもよくあります。
ミシンと聞くと、いかにも機械化しているイメージがありますが、
人の手が入らないと案外うまくいかないものです。
*例えばランドセルの縫製工場などでは、一部、縫い線をプログラム管理し、
商品をセットすれば自動でミシン掛けが出来るようなミシンもあります。
「ハンドメイドの定義」を考える(後段)
前項までのような背景もあり、私自身、自分で作っている商品が「ハンドメイド」なのか、
そうではないのか迷うような時期もありましたが、
やはり「ハンドメイド」の商品を作っているのだと思います。
以下、私自身の独自解釈が多分に含まれますが、
商品1点1点に向き合いながら製作することが、ハンドメイドの定義だと考えるようになりました。
「素材と対話しながら製作する」というようなイメージでしょうか?
革という天然素材、しかも当社で使用する革は比較的均一に仕上げた素材ではない為、
「革全体のここの箇所はキズが無いから、表のパーツに取ろう」だったり、
「この革は比較的硬めだから、ミシンの目を外さないように注意しよう」だったり、、、
色々と考えながらの商品製作を行なっています。
このように、商品1点が組み上がるまでに、色々なストーリーがあることが、
ハンドメイドなのだと考えています。
言い換えれば、完全な流れ作業で完成する商品はハンドメイドではないと思っています。
このようなストーリーがあること、同じものが2つと無いことが、
そのままハンドメイド商品の魅力なのだと思います。
一枚の革の中でも、表情が微妙に違ったり、目の出方が違ったりします。
閑話休題:ハンドメイドを言い訳にしないで
*ハンドメイド作家さん向けの話題です。
昨今はハンドメイド業界も大きくなり、
minneやcreemaなど、ハンドメイド商品の販売チャネルも多様化しているようですが、
ちょこちょこ見かける表現に、
「ハンドメイド商品なので、作りが甘いのは許して」のような事や、
「ノークレーム・ノーリターンでお願いします!」のような記載がある商品があります。
これら見るたびに、なんとなく忸怩たる思いがするのは私だけでしょうか?
お金を頂戴して販売している以上、程度はあれども商品に責任は取らねばならないと思うのです。
製作者自身が「良く出来た」と思えないものを販売するのは不誠実ですし、
自信のある商品に付くクレームであれば、受け入れる姿勢は持っておくべきだと思います。
(もちろん、あまりに不合理なクレームには毅然とした対応をすべきですが。)
更に、自ら自分の商品を貶めるのは、今までのお客様にも失礼ですし、
一般のお客様に「ハンドメイドってこんなもんだよね」と思われたら、業界全体の損失です。
ハンドメイドを言い訳に、NCNRで、不十分なものを売るのはやめませんか?
まとめ
ちょっと毒を吐いてしまいましたが、ご容赦ください。
本日はハンドメイドの定義、魅力について記事にしました。
今回の記事は私、清水の私見に基づく内容がほとんどでしたが、
普段どのような思いで商品製作に向き合っているか、少しでも共感して頂ければ幸いです。
本日の結言「ハンドメイドとは、1点1点のモノづくりに向き合うこと」でいかがでしょう。